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​学会長挨拶

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市立三次中央病院
吉川 陽樹 

  昨今、国全体において少子高齢化が急速に進んでおり、医療や福祉を取り巻く環境は年々変化しています。本学会開催地である三次市の高齢化率は、2023年の全国平均(29.1%)よりも7.3ポイント高い36.4%となっています。今後も更に少子高齢化が進むことが見込まれ、一人暮らし高齢者の増加、家族の介護力低下、支え手となる若年人口の減少など、地域には問題が山積しています。このような状況を乗り越えるため、国が医療および介護分野でサービスの提供と住民を主体とした地域包括ケアシステムの構築を進める中、現場では今まで以上に多職種の連携が重要視されることになります。

  日本理学療法士協会に目を向けると現在、会員の約4割が30歳以下の世代で構成されています。コロナ禍の数年間で他施設と交流する機会は減少し、また、コロナ禍に卒業を迎えられた若い世代の方々は、思うような連携はとれず、同僚へ相談することさえ控えてしまうことも多かったのではないでしょうか。オンラインでの連携が発展し便利になりましたが、「直接会って話をする・心を通わせる交流」は希薄となりました。

 そこで本学会では、オンライン配信を行わず対面のみの開催とし、少しでもみんなの苦労や伝えたい思いが共有できることを重要視しました。同じような悩みや不安を抱えている仲間が大きな力となって、国が推奨する地域包括ケアシステムの進化のために、まず“顔の見える関係”作りを見直したいと考えます。

 これらのことを踏まえ、学会テーマを『つむぐ』~今、理学療法士に求められる連携と 連動~としました。

“つむぐ”とは、「縒りをかけて糸を作る」という意味ですが、最近では「言葉を―」、「物語を-」のように比喩的な表現で用いられています。広島県における地域包括ケアシステム構築をつむぐためにも今回の学会をそのきっかけとし盛り上げましょう。地域包括ケアシステム構築の一翼を担う私たち理学療法士にとって、地域生活に携わる多職種との関係性をつむぐ、より実り多い学会となることを期待しています。

 学会の雰囲気を会場にて直接肌で感じていただき、最終的には参加者の皆様と作り上げ、盛大に開催できるよう準備を進めてまいります。

 備北支部会員一同、皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

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